こんにちは。広瀬マサルです。
後々リリース予定の総合フレームワークのために利用されるパッケージをいくつか紹介します。
今回は認証周りのパッケージとなります。
Firebase Authenticationを後々利用するためのテスト用のパッケージとなります。
使い方をまとめたので興味ある方はぜひ使ってみてください!
katana_auth
はじめに
認証周りを利用するためのFirebaseAuthenticationは便利です。
メールアドレス認証や電話番号での認証、SNSアカウントを用いた認証など様々な認証を簡単に実装することが出来ます。
ただ、後々にFirebaseの認証を利用するにしてもアプリのモックアップを作成する際にサーバーへ接続せずに認証機能を実装したい場合やテストコードで認証機能を実装したい場合があります。
そのためkatana_modelで実装したときと同じ様にアダプターを利用してFirebaseやローカルでの認証を切り替えることが可能になるようなパッケージを実装しました。
また、GoogleサインインやAppleサインインの利用の有無をアプリによって切り替え易いようにインターフェースを整備しました
インストール
下記パッケージをインポートします。
flutter pub add katana_auth
Firestoreを利用する場合は下記のパッケージを合わせてインポートします。
flutter pub add katana_auth_firebase
実装
事前準備
必ずAuthAdapterScope
のWidgetをアプリのルート近くに配置します。
adapterのパラメーターにRuntimeAuthAdapter
といったAuthAdapterを渡します。
// main.dart
import 'package:flutter/material.dart';
import 'package:katana_auth/katana_auth.dart';
void main() {
runApp(const MyApp());
}
class MyApp extends StatelessWidget {
const MyApp({super.key});
@override
Widget build(BuildContext context) {
return AuthAdapterScope(
adapter: const RuntimeAuthAdapter(),
child: MaterialApp(
home: const AuthPage(),
title: "Flutter Demo",
theme: ThemeData(
primarySwatch: Colors.blue,
),
),
);
}
}
認証オブジェクトの作成
認証を行うにはまずAuthentication
を作成しどこかに保持しておきます。
Authentication
のオブジェクトは下記のデータを取得することができるため認証の状態を確認可能です。
-
isSignedIn:認証済みの場合
true
を返します。 -
isAnonymously:匿名認証の場合
true
を返します。 - userId:ユーザーIDを返します。
- userEmail:メール認証等を行った場合ユーザーのメールアドレスを返します。
- userPhoneNumber:電話番号認証を行った場合ユーザーの電話番号を返します。
また、Authentication
はChangeNotifierを継承しているので、addListener
やriverpodのChangeNotifierProvider
を利用する等して更新を監視することが可能です。
// auth_page.dart
import 'package:flutter/material.dart';
import 'package:katana_auth/katana_auth.dart';
class AuthPage extends StatefulWidget {
const AuthPage({super.key});
@override
State<StatefulWidget> createState() => AuthPageState();
}
class AuthPageState extends State<AuthPage> {
final auth = Authentication();
@override
void initState() {
super.initState();
auth.addListener(_handledOnUpdate);
}
void _handledOnUpdate() {
setState(() {});
}
@override
void dispose() {
super.dispose();
auth.removeListener(_handledOnUpdate);
auth.dispose();
}
@override
Widget build(BuildContext context) {
return Scaffold(
appBar: AppBar(title: const Text("App Demo")),
body: ListView(
children: [
ListTile(
title: Text("SignedIn: ${auth.isSignedIn}"),
),
ListTile(
title: Text("Anonymously: ${auth.isAnonymously}"),
),
ListTile(
title: Text("ID: ${auth.userId}"),
),
ListTile(
title: Text("Email: ${auth.userEmail}"),
),
ListTile(
title: Text("Phone: ${auth.userPhoneNumber}"),
),
],
),
);
}
}
ユーザー登録・ログイン
ユーザー登録を行うためにはauth.register
メソッドを利用します。
引数にはRegisterAuthProvider
を渡す必要があります。
RegisterAuthProviderはregister
メソッドがあるAuthQuery
を使用して取得してください。
(AuthQueryについては後述します)
await auth.register(
EmailAndPasswordAuthQuery.register(
email: "[email protected]",
password: "12345678",
),
);
また、ログインを行うにはauth.signIn
を使用します。
引数にはSignInAuthProviderを渡す必要があり、signIn
メソッドがあるAuthQuery
を使用して取得してください。
await auth.signIn(
EmailAndPasswordAuthQuery.signIn(
email: "[email protected]",
password: "12345678",
),
);
メールリンク認証やSMS認証を行うといった、認証の確定を行う場合はauth.confirmSignIn
を使用します。
await auth.confirmSignIn(
SmsAuthQuery.confirmSignIn(
code: "012345",
),
);
ユーザー情報の変更
ユーザー情報を変更する場合はauth.change
を使用します。
引数にChangeAuthProvider
を渡しますが、変更する内容によってAuthQueryのメソッドを変えることができます。
-
EmailAndPasswordAuthQuery.changeEmail
:メールアドレスの変更。 -
EmailAndPasswordAuthQuery.changePassword
:パスワードの変更。 -
SmsAuthQuery.changePhoneNumber
:電話番号の変更。
await auth.change(
EmailAndPasswordAuthQuery.changeEmail(
email: "[email protected]"
),
);
※ログイン時にしか利用できません。
ログアウト
ログアウトを行う場合はauth.signOut
を使用します。
ログイン時にのみ利用可能で、引数は必要ありません。
await auth.signOut();
AuthAdapter
AuthAdapterScope
を定義する際に渡すことで認証システムを変更することが可能です。
-
RuntimeAuthAdapter
:アプリ起動時のみで動作する認証システム。アプリを起動し直すと認証情報はリセットされます。テスト時に利用してください。 -
LocalAuthAdapter
:端末ローカルのみで動作する認証システム。アプリを起動し直しても認証情報は残りますが他端末間で共有はできません。 -
FirebaseAuthAdapter
:FirebaseAuthenticationのシステム。端末間で認証情報を共有できます。Firebaseの初期設定が必要です。
AuthQuery
認証プロバイダ別にAuthQuery
が用意されています。
AuthQuery
のメソッドを利用することによりAuthentication
クラスで用意されている認証用の機能を利用することが可能です。
(認証プロバイダによって利用できる機能が限定されます)
-
AnonymouslyAuthQuery
:匿名認証を提供するプロバイダ用AuthQuery。 -
EmailAndPasswordAuthQuery
:メールアドレスとパスワードでの認証を提供するプロバイダ用AuthQuery。 -
EmailLinkAuthQuery
:メールリンクでの認証を提供するプロバイダ用AuthQuery。 -
SmsAuthQuery
:SMSでの認証を提供するプロバイダ用AuthQuery。 -
SnsSignInAuthProvider
:SNSアカウントでの認証を提供するプロバイダ用AuthQueryの抽象クラス。抽象クラスなので他の関連パッケージを読み込むことによって実際のAuthQueryを利用することが可能。
おわりに
自分で使う用途で作ったものですが実装の思想的に合ってそうならぜひぜひ使ってみてください!
また、こちらにソースを公開しているのでissueやPullRequestをお待ちしてます!
また仕事の依頼等ございましたら、私のTwitterやWebサイトで直接ご連絡をお願いいたします!
GitHub Sponsors
スポンサーを随時募集してます。ご支援お待ちしております!